メディカル翻訳雑感

メディカル翻訳講師のブログ。翻訳の勉強に役立ちそうなヒントや情報を思いつくまま書いています。

お勧めの本

メディカル翻訳に興味があるけれども専門知識はないという人向けに、医学の勉強の第一歩として適当と思われる入門書を紹介します。

(好みに合わないこともあるでしょうから、購入する場合は、書店や図書館で内容を確認してからにしてください)

『好きになる免疫学』(第2版)萩原清文 著 講談社サイエンティフィク
『好きになる分子生物学』萩原清文 著 講談社サイエンティフィク

一般向けに書かれた医学関連の解説書はたくさんありますが、文章が読みにくかったり、誤解を招く記述があったりして、 自信をもってお勧めできる本は意外にありません。そのような中で、この2冊は文句なく名著と断言できる本です。 ともかく文章が読みやすく、また専門知識のない人でもスラスラ読んでいけるように、用語の使い方など配慮されています。 著者自身が描いた楽しいマンガも的を射ているので大いに理解の助けになるでしょう。 免疫学や分子生物学の興味深いドラマを十分に実感できる本だと思います。

『いちばんやさしい生理学』加藤尚志 監修、南沢享 監修 成美堂出版

この本をお勧めする理由も文章が読みやすいことです。 一つ一つの文が短く簡潔で、また無駄な記述がないのでストレスなく読んでいけます。 この種の本は、必要に応じて目的のページを参照するといった辞書のような使い方でも活用するでしょうが、 そのような使い方にもぴったりです。 余計なことが書かれていないので、目的のページを開いてすぐに知りたい情報を得られます。

また、わかりやすいカラーの図が豊富にあることもこの本の長所の一つです。 このページ数でこれだけ図があって、なおかつ基本として必要な事柄はしっかりカバーしている。 まさに生理学が凝縮されている感じです。

成美堂出版のサイトで8ページほど立ち読みができます。 同サイトのキーワード検索で「生理学」と入力してください。